音叉式時計
音叉式時計とは

音叉式時計とは、音叉に電流を流すことによって、毎秒360回の振動を発生させ、それを調速に活用した時計の事です。
音叉とは、鋼または軽量アルミニウムで作られた調律用の道具で、U字の底に1本付け足した(Y字に近い)ような形状となっています。
このU字部分を叩く事によって、振動し続けます。この振動を利用した(電圧による)音叉型水晶振動子は現在のクオーツ式時計にも組み込まれています。
1960年代に開発された当時は圧倒的な精度を誇って、それまでの機械式時計とは比べ物にならないほどの正確性を保持していました。
ブローバ社のアキュトロン

音叉式時計の開発にいち早く取り組んだのが、アメリカの腕時計メーカのブローバ社で、その代表作が右の写真にもあるアキュトロンです。
アキュトロンの初期モデルはその時刻の精度を強調するために、リューズをサイドではなく、裏側に隠しているのも特徴です。このことから、右腕にはめる左利きの人ための腕時計としても、使いやすいと評判でした。
ブローバ社はこの音叉式時計を次世代時計の主流にしようと考えていたため、特許を非公開として、他社にはライセンス契約と言う形での生産だけを許可していました。
しかし、10年後には、クォーツ式時計が市場に出回ったために、音叉式時計が表部台に立ったのは、わずか数年となってしまいました。
ハイソニック
音叉式時計と言えば、上にも挙げているブローバ社ですが、そのブローバ社と日本のシチズンが合弁会社を設立して作ったのが、左の写真のハイソニックです。
現在でもこの時計を修理に出される人がいるそうですが、動力源である水銀電池(1.35V)が生産中止となってしまったため、電池交換ができない現状にあります。
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